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舞踏譜とは、私の師である土方巽から口伝された踊りの振付を書き留めておいた文章を整理したものです。詩のような文体が続きますが、それぞれの言葉が具体的な踊りのフォルム、動き、身体の関わり方などを示しています。行くつもある舞踏譜を、意味に応じて私なりに7つの世界に分けて配置してみました。
「解剖図鑑の世界」はマグマのように不定形で、いのちが人の形をとる以前の状態です。 「焼け落ちた橋の世界」で、かろうじて混沌の中から人の形をとりはじめます。 「壁の世界」で土、石、砂などの材質の違いを認識し、厚み、背後などの立体感を獲得し、 「鳥とけだものの世界」で、多彩で複雑なフォルムが展開されます。 そこからフォルムの輪郭が二つの方向に向かって空間に溶解しはじめます。 「花の世界」を通れば輪郭がぼやけて粒子となって拡散しはじめ、「神経病棟の世界」を通れば神経の枝が細かに分裂しながら増殖して空間に延びていきます。 そしてさらに分解が進んだ粒子や神経は、「深淵の世界」に至って、次第に空間や光そのものと化していくのです。 このように、それぞれの舞踏譜は広い範囲の世界を扱いながらひとつひとつが少しずつニュアンスを変えながら有機的につながっているのです。
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